ビジネスアカウントに切り替えると、音楽の扱いが変わります
検索候補には「音楽」が二回、そして「やめる」と「解除」が並びます。何が使えるようになるかより、何が使えなくなるかを先に書きます。あと、運用代行を禁じた法改正は存在しません。
Sarah Johnson「インスタ ビジネスアカウント」の検索候補には、十件のうち二件に「音楽」が入っています。そして「やめる」と「解除」が「切り替え」と並んでいます。日本語で調べられているのは、切り替えて何が手に入るかではありません。何を失うか、そして戻せるかです。
その順番で書きます。
切り替えで実際に変わるのは、音楽です
「音楽 使えない」が候補に入っている理由は、権利の区分です。音楽ライブラリの曲は、個人の非商用の利用に向けて許諾されています。だからアカウントの種別や投稿の型によっては、そのライブラリが使えません。
ただし正確に書きます。すべてのビジネスアカウントが一律に使えなくなるわけではありません。アカウントごと、投稿の型ごとに違い、国によっても変わります。断言している記事は確かめていません。
使えない側に入った場合、代わりに用意されているのが商用の利用まで許諾された音源集です。一万四千を超える曲があり、広告にも使えます。問題は曲数ではなく、いま流行っている曲がそこにないことです。流行の音に乗る運用をしていたなら、切り替えはそこで一度断絶します。
切り替えを迷っているなら、順番はこうです。いま使っている音が使えるかどうかを、切り替えたあとに一本試してから、本番の投稿に移ってください。
クリエイターとビジネス、実際の分かれ目
候補にある「違い」への答えです。細かい差はいくつもありますが、選ぶときに効くのは次の点だけです。
- 住所を出すかどうか。ビジネスの側は所在地や連絡先の表示を前提にした作りになっています。自宅で作っているなら、ここが実際の分岐点です。
- 音楽の扱い。上に書いたとおりで、クリエイター側のほうが制限に当たりにくい傾向があります。ただし保証はありません。
- 肩書きの表示。クリエイター側は分野を選んで名乗る形になります。店や会社であればビジネス側の表記のほうが自然です。
インサイトはどちらでも見られます。ただしフォロワーの傾向を見る部分は、届いた、あるいは反応した相手が百件に達するまで表示されません。切り替えたのに何も出ないと感じるのは、たいていこれです。
戻せます。ただし見えていた数字は見えなくなります
「やめる」「解除」に対する答えです。個人のアカウントに戻す操作はあります。フォロワーも投稿も消えません。
戻したときに消えるのは表示のほうです。インサイトは個人のアカウントでは出ません。戻す前に、追っていた数字は手元に控えてください。あとから遡って取り直すことはできません。
「運用代行 法改正」で調べている人へ
候補に「禁止」と「法改正」が並んでいるので、はっきり書きます。運用代行を規制した法改正はありません。禁止もされていません。二つの別の出来事が混ざって、そう呼ばれています。
一つ目が、二〇二三年十月一日に効力を持った表示の規制です。広告であることを分かりにくくした表示が、景品表示法上の不当表示になりました。ここで重要なのは責任の所在です。規制の対象は広告主である事業者で、投稿した第三者ではありません。代行に頼んでいても、責任は依頼した側に残ります。表示の管理体制を整える義務も、依頼した側にあります。
二つ目が、二〇二四年十月一日に効力を持った景品表示法の改正です。是正の計画を出して認められれば命令を免れる手続きが新設され、罰金を直接科す規定も入りました。ただしその罰金の対象は品質や価格を偽った表示に限られており、先の表示の規制は対象外です。ここを混ぜて「代行が罰せられる」と書いている記事があります。
自分の店のアカウントを代行に運用してもらうこと自体は、いずれにも触れません。触れるのは、第三者を装った投稿と、表示のない案件投稿のほうです。表示の書き方は案件の記事にまとめてあります。
日本の利用者数は、公式には二〇一九年で止まっています
提案書に数字を入れる場面があるので書いておきます。運営元が公表した日本の月間アクティブアカウント数は三千三百万で、二〇一九年三月時点のものです。発表は同年六月。それ以降、国別の公式な数字は出ていません。
これより大きい数字が日本語の記事に出回っていますが、それらは広告の到達可能人数の推計で、別のものを測っています。比較して「増えた」と書くことはできません。新しい数字が要るなら、総務省の利用時間の調査のほうが年次で更新されています。
集客が難しいと感じる理由の一つは、ここです。母数が分からないまま、伸びているかどうかを判断しようとしている。外の数字を追うより、自分のアカウントで閲覧数と保存が動いた投稿を数えるほうが早く答えが出ます。保存の読み方はいいねと保存の記事にあります。



