出品者の等級で本当に変わるのは、二つだけです
五段階の等級があります。ただし上がって変わるのは、売上でも表示順でもありません。資金が動き出す速さと、争いになったときの負担です。掲載枠の上限は、実際にはほぼ誰にも当たっていません。
Michael Chen
店舗名の横に付く等級は五段階あります。名前は Member、Bronze、Silver、Gold、Platinum で、上がる条件は過去一年に積み上げた売上の累計です。
問題は、上がると何が良いのかがほとんど説明されていないことです。実際に動く項目を、一つずつ確かめました。
変わるもの、その一。資金が動き出す速さ
売れた代金は、買い手が受け取りを確認するまで引き出せません。買い手が何もしない場合は、一定日数で自動的に確認されます。この日数が等級で変わります。
- 一段目と二段目:三日
- 三段目と四段目:二日
- 五段目:一日
数え始めは注文が入った日で、納品した日ではありません。この向きは覚えておく価値があります。納品に手間取った日数は待ち時間の上に積まれるのではなく、待ち時間の中から差し引かれる形になります。ただし自動確認が動くのは注文が完了になってからなので、納品しないかぎり何も進みません。
下から上まで通しても、縮むのは二日です。回転させている規模が大きいほどこの二日が効いてきますが、月に数件の規模なら体感はほとんど変わりません。
変わるもの、その二。争いになったときの負担
買い手から異議が立った注文には、出品者側に控除が付きます。率としては小さい部類です。
ただし三段目からはこれが免除されます。等級を上げて直接お金が変わるのは、この一点だけです。異議が付きやすい商材を扱っている場合、三段目に届いているかどうかは意味を持ちます。
変わらないもの
ここを先に潰しておきます。英語版の説明には「表示順が良くなる」「優先的にサポートを受けられる」「成約率が上がる」と書かれていますが、そういう仕組みは実装されていません。
- 出金時に引かれる率は、等級で変わりません。全等級で同じ、一律の読み取りです。
- 検索や一覧の並び順は等級を見ていません。並びを決める処理のどこにも等級は入っていません。
- 問い合わせの優先度も等級では変わりません。
つまり等級は、売る力を強くするものではありません。資金繰りと、事故のときの負担を軽くするものです。そう理解しておくほうが、期待外れになりません。
掲載枠と在庫の上限は、実際にはほぼ当たりません
等級ごとに掲載できる商品数の上限と、在庫数の上限が決まっています。掲載上限の既定値は Lv.1=100、Lv.2=200、Lv.3=500、Lv.4=1,000、Lv.5=1,500 で、管理画面から段階ごとに変えられます。実数は常に 出品者等級ページ が正です。
これが効くかどうかは、実際の分布を見ると分かります。いま出ている一万六千件あまりの商品は四百六十の店舗から出ていますが、そのうち七割の店舗は商品を五件以下しか出していません。一方で上位十店舗だけで全体の七割を占めています。
つまり上限に当たるのは、もともと大量に並べているごく一部の店舗だけです。多くの出品者にとって、この項目は等級を上げる理由になりません。
三段目までの、もう一つの道
掲載の目印と無料の宣伝枠は、四段目から自動的に対象になります。三段目までは、共有の仕組みを使って自分で申請すると使えるようになります。承認される回数には上限があり、一件あたりの追加枠も決まっています。
売上の累計が届かないうちに枠を広げたい場合の、事実上の抜け道がここです。ただし恒久的なものではなく、期限付きで切れます。
結局、何を優先すべきか
等級を上げること自体を目標にするのは、順序としておかしくなります。上がるのは売上が積み上がった結果であって、上げれば売れるようになるものではないからです。
資金繰りの観点でいちばん効くのは、等級を上げることではなく買い手に早く受け取りを確認してもらうことです。確認された時点で待ち時間はゼロになります。等級による短縮の最大幅が二日である以上、確認を促すほうが常に効きます。
そのための具体的な打ち手はこの店で実際に効くことに、資金が動く条件の全体は出金の手順に書いています。段ごとの数字は等級の一覧ページが常に最新です。



