市場は 2021 年より古いアカウントに追加の金を払っていません
「古いアカウントは伸びない」という検索候補は、値段の動きと突き合わせると興味深いことになります。この棚で古さへの上乗せは 2021 年で止まり、代わりに投稿数が三倍以上の差をつけています。
Avery Bennett「twitter アカウント 古い」の候補には十件が並び、その最後のほうに気になる語があります。伸びない。古いアカウントを買っても伸びないのではないか、という疑いです。
これは値段の話と突き合わせると面白いことになります。この棚では、古いアカウントに中央値の二倍以上が払われているからです。市場は古さに金を払い、利用者は古さを疑っている。どちらが正しいのか、数字の側から見ていきます。
先に用語をひとつ。日本語で「ツイート数」を引くと、出てくるのは上限、制限、制限解除、つまり一日に投稿できる回数の話です。この記事で扱うのはそれではなく、アカウントがこれまでに何件投稿してきたかのほうなので、以下は投稿数と書きます。
登録年ごとの実際の値段
この棚の 876 件を、登録年のタグごとに中央値で並べると、きれいな階段になります。棚全体の中央値を 1 として:
- 新規(fresh)… 0.32 倍
- 2026 年… 0.46 倍
- 2022 から 2025 年… 0.91 倍
- 2017 から 2021 年… 2.13 倍
- 2017 年より前… 2.13 倍
ここまでは予想どおりです。古いほど高い。ただし最後の二行をもう一度見てください。同じ数字です。
上乗せは 2021 年で止まっている
この階段には段差が一か所しかありません。2021 年と 2022 年の境目です。そこで 0.91 倍から 2.13 倍へ、一気に二倍以上に跳ねます。
そしてその先は平らです。2017 年より前まで遡っても、2017 から 2021 年と同じ 2.13 倍のままで、追加の上乗せがありません。市場は「2021 年より前かどうか」だけを見ていて、そこから先の一年二年を評価していない、ということです。
買う側にとっての意味は実務的です。より古い年を狙って高いものを探す必要はありません。2021 年以前という条件を満たした時点で、市場が認めている価値には届いています。
では市場は何に払っているのか
ここが「伸びない」への答えになる部分です。投稿数のタグを同じ倍率で並べると、こうなります。
- 投稿 0 から 10 件… 1.10 倍
- 投稿 10 件以上… 3.45 倍
三倍以上です。しかも古さの上限である 2.13 倍を超えています。この棚で最も高く評価されているのは、古いことではなく、使われていたことです。
プロフィールが埋まっているかどうかも同じ方向を向いています。埋まっているものは 1.49 倍で、これは全体の 37 パーセントにあたります。つまり値段が語っているのは、履歴の長さではなく履歴の濃さです。
「古いアカウントは伸びない」という疑いは、だからまったく的外れではありません。市場自身が、古いだけのアカウントより使われていたアカウントを高く買っています。もっとも、値段が示すのは市場の評価であって、実際に伸びるかどうかを保証するものではありません。そこは誰にも測れません。
フォロワー数は値付けに存在しない
もうひとつ、書いておく価値のあることがあります。この棚のタグは 38 種類ありますが、フォロワー数を表すタグはひとつもありません。投稿数にはあり、登録年にもあり、フォロワーにはない。
ですからフォロワーの多い少ないでこの棚を絞り込むことはできませんし、フォロワー数を根拠にした値付けもされていません。その情報が欲しければ、タグではなく個別の商品説明を読むことになります。
「購入後」と「注意点」について
検索候補には購入後、注意点、凍結、シャドウバンが並びます。値段の話とは別に、時間の話をしておきます。
保証は中央値 12 時間、下位一割で約 29 分、23 パーセントが 0 か 1 時間未満という分布です。ここまで読んできた属性、つまり登録年と投稿数とプロフィールの中身は、どれもプロフィールを開けば数十秒で照合できる種類の事実です。値段の根拠になった項目から先に見ていけば、短い保証でも足ります。
供給者の数は 81 で最大手でも 12 パーセントしか持っていません。これはこの記事で扱った棚の中で最も分散した構成で、選択肢が特定の出品者に偏っていないという意味では良い材料です。
現在の出品は Twitter の棚 にあります。
